治療方法ですが、薬物療法と認知行動療法などがあります。恐怖や不安を取り除き、その恐怖や不安を感じる状況を回避する行動を減らすこと、そして日常生活を改善・向上させ、その状態を維持していくことが治療の目的です。社交不安障害(SAD)の治療薬であるSSRIは服用を始めて1-2週間後に効果が出始め、3-8週のうちに症状が次第に改善していきます。副作用は飲み始めの1週間で現れることが多く、その後は軽減していきます。すぐに効果がでない、副作用が出たといってあきらめないでください。症状が改善してもしばらくは(1年程度)は服薬の継続が必要となりますので通院継続も大切です。社会生活や人間関係における障害は、患者様を非常に無力にさせ解決策を見いだせない状況に追い込み、複数の精神疾患が併存する(多くはうつ病)病態を作り出してしまうという大きな問題があります。そして患者様は症状の緩和にアルコールや薬物が効くような気がし、依存傾向が強まり乱用にいたるような場合もあります。
日本国内においては、社交不安障害(SAD)に対する認識がまだ低いのが現状ですが、潜在的には相当数の患者様が治療の状態にあると考えられます。疾患に対する理解を深め、この疾患に悩んで社会活動が著しく阻害されている患者様のためにも、一人でも多く適切な治療がおこなわれることが、望ましいと考えております。
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